大腸ポリープと大腸癌について

大腸ポリープと言われました。結局どうすればいいわけ?ということで、専門的な事が興味おありになる方の為の、副院長ザックリ説明の時間です。

大腸癌というものをまずは。

2017年の段階で、全国におよそ15万人(うち男性8万5千、女性6万4千ほど)ということで、全がん中1位の癌になりました。

診療におきましては「大腸癌診療ガイドライン」を日本では用いていますが、実際世界ではアメリカや欧州のガイドラインも存在していて、日本のガイドラインは結構煩雑なことになっているのが現状です。というのも、カメラの技術進歩がめざましい為に、様々な人がさまざまな基準を設けすぎて、どれをポピュラーなものにすべきか議論が決着しないからなんですね。喜ばしいのかどうかって所です。

うわわ!いきなりよく分からん画像だよ!って感じですよね。

それっぽくするために乗せました。重要な事は、大腸ポリープのうち「線腫」と呼ばれるものは、いつか確実に癌になるって分かっている珍しい癌の1つだからです。そして線腫と呼ばれるものはカメラの進歩によって見るだけで分かるようになったから見つけた瞬間にポリープを切りに行くわけですね。

これが、他臓器の「ポリープ」と呼ばれるものとの決定的な違いです。他臓器のポリープは癌にならないか、なるかどうか分からないという性質のものが多いんですね。

多段階発癌説なんて言われておりますが、じゃあどれくらいのスパンで癌になるの?っていう疑問も当然あると思います。

実際は分からない。が答えになります。ほっとけないからですね。ほっといたら、今の時代は医者である意味がありません。おそらく永遠に答えは出ないのではないでしょうか。

だから、「ポリープ切ったら1年後に再検査」を強く勧めます。1度あることは2度あることが多いからです。2度あることは3度ある。

予想できうるなら、あらかじめ手を打っておくべきだってことですね。なにせ「1位の癌」なわけですし。

なるべく最新の情報を仕入れて、患者さんに提供する努力をしています。今後も一進してゆきますので、何卒よろしくお願い致します。