かかりつけ医活用法【ストレス編】

今回は、少しストレスとお薬のお話。

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【向精神薬編】

向精神薬というのは、医学的に「メンタル」を左右させる薬の群です。広義な意味では、「覚醒剤」なんかもこれらに含まれてしまいます。


さてさて、これを使用する理由はほとんどが明らか。「ストレス」です。本当に重傷の精神病患者さんは、心療内科通ってると思うのでヘビーな薬は今回は割愛します。内科で出すありふれたケースを今回はピックアップ。故に、ストレス。

不眠症で眠れない。

緊張しちゃって、人の前に立てない。

人間関係がにっちもさっちもいかない。


人によって様々なんですけどね。何がストレスのトリガーなのかは、人によって様々。そして、その話を延々と聞くのも大切なんですけど、カウンセリングだけでは、「ストレスのトリガー」は結局解決はしない訳なんですね。


そこで、登場する薬が向精神薬。例えば、眠れない➡️翌日のパフォーマンスが落ちる➡️また怒られる➡️眠れない➡️、、、、


患者さんは負のスパイラルに入っていることが多く、最後の結末は「自殺」です。これだけは、くい止めなければいけない。


1、睡眠薬睡眠導入剤というものは、数多あります。効果時間も様々なので、ひとくくりでザックリ説明するのは難しいです。今回は、本当にザックリと3カテゴライズ。(本当は複雑ですよ?)


①短時間作用型

代表薬 マイスリー、レンドルミン、ハルシオン、コンスタン(ソラナックス)
これらは、超短時間作用型から短時間作用型のくくりで、いわゆる「寝付きが悪い人」に寄り添うための薬です。「途中で起きて眠れない人」にはあまり向いていません。


「翌日まで残るんですー!」っていう方いますが、薬効はピーク15分程度で、それからどんどん血中から失くなっていきます。「朝まで残ることはまずありません」
朝まで残ってる人は、夜中に起きて飲み直した。もしくは、プラシーボ効果でしょう。


これらは、飲んだことない人はビックリするくらい効きます。正直、好奇心程度で飲むのは個人的に絶対反対です。なぜか?


短時間作用型の最も残念な所は「依存性が高すぎる」という1点です。うかつに、依存性を形成してしまえば、止めるのはほんとーーーーに難しい。飲まなくても寝付きがいいなら、飲まない方が絶対にいい。それだけです。


②中時間作用型

代表薬 ロヒプノール ベンザリン
これらは、割と長いこと効きます。数時間単位で血中に残るため「熟眠」を得たい人に向いています。ただし、飲んですぐに効果を実感出来ないため、「寝付きが悪い」人には向いていません。


これらは、比較的依存性形成が少ないとされます。「効果が実感できてしまえる切れ味ある薬ほど」依存性を作りやすいという研究結果が出てるんですねー。


③長時間作用型

代表薬 セルシン サイレース 
いわゆる「~パム」で終わる正式名称の薬たちですね。これらは、ある特殊な効果があります。ほんの少しの筋弛緩作用ですね。寝てるときのコリとかある人なんかは割とグッドです。ジアゼパム(セルシン)なんかは、「スナイパーが狙撃するとき」手のブレを止めるために筋弛緩剤として用いられたとかって話です。強力な筋弛緩剤は呼吸筋が止まって死にますから、手術するとこにしか置いてません。


デメリットはやっぱり「翌日残ってるように感じる」ですね。少し古いタイプの処方形体なので、メジャーとは言いにくいかもしれません。


2、坑精神薬

向精神薬とは漢字が違います。こちらは、気分を前向きにしてくれるお薬。睡眠薬と勘違いしている方もいますが、本質的なカテゴライズは別物です。というか、これについては内科で出せるのって、デパス、リーゼ、レキソタンくらいなもん。あとは、坑うつ剤であるパキシル、ジェイゾロフト、ルボックス、レクサプロくらいが限界でしょう。それ以上の強力なものはやはり、心療内科行ったほうがいい。

実際は、まだまだあって。本当に眠剤だけでも山程種類あるんですが、個別の特徴はそれこそ「かかりつけ医」としましょうね?こればっかりは「飲めばオッケー」って薬じゃないので、信頼して耳の痛いこともたまには言ってくれるお医者さんと相談しつつ、ストレスの事も理解してくれるお医者さんがグッドだと思ってます。


逆に医者アルアルなんですけど、理由をまともに話さない(まぁ分からないでもない)けど、薬を目一杯欲しいって患者さんは割と多いです。個人的には、そういう処方はお断りしたい所です。あんまり断れないシチュエーションもあるんですけどね?


バランスが大事。刹那的に「どうでもいいやー」的な飲み方はダメダメ。だからって「我慢しなきゃ我慢しなきゃ!」つって、メンタルボロボロになるのもダメなんですよ?


医者は「味方」のはず。「患者さんの味方」それが例え犯罪者だろうと、病気の間は味方なんですよ。極端なんですけどね。救急で何人か診ましたよ。さてさて


人の命を救おうってんだ…医者はみんなイイ奴さ…

Dr.ヒルルクさんはいいことを言います。その通りだ。彼はヤブ医者だけど、セリフがイチイチ粋なんでファンは多いでしょ?

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出典ONE PIECE 尾田栄一郎 集英社


今この国は「病んでます」まさに、言葉通り日本は「病気の国」だから、人の行動がおかしくなってしまっている。


でもね?病気の国だって治せるはず。だってヒルルクが言ってたもの。答えは原作をチェックしてくださいね!


必ず日本も元に戻す力が働くはずです。だって「治らない病気なんかない」んだから。